Tuesday 15 November 2016

カラフルな街(イタリア旅行記3:ヴェネチア編)


昼のヴェネチアは、夜とはまったく違う輝きをしていた。薄暗い街灯の中で隠されていたカラフルな建物が姿を現し、それはまるで違う街に来たかのようだった。



ヴェネチアには路地がたくさんある。だから行き止まりもたくさんある。なので私たちの街歩きは難航した。路地に行くほど面白い形の街灯や窓があったり、行き止まりにある建物のドアのぶがライオンの顔の形をしていたりするので、覗かずにはいられないのだ。



反射してハート形に見える把手

ヴェネチアはとてもカラフルな街だ。建物だけでなく、マーケットで売られている果物も、ウィンドウに並ぶ本の表紙も、道ゆく人が食べるジェラートも。そして窓から吊るされた洗濯物たちも。



カラフルな建物に、窓から吊るされた洗濯物たち。カラフルだったり、ピンク一色だったり、同系色でまとめられていたり。きっと合わせているわけではないのだろうけれど、どれも何故か壁の色と絶妙に合っていて、ヴェネチアの街を彩るアートのようだった。 

洗濯物の他に私を夢中にしたのは至るところにある祭壇のようなもの。あるものは聖母像が直接壁に描かれていたり、あるところでは蔦のように美しくかたどられた鉄格子の向こうに彫刻や絵画があったりと形態はさまざま。ほとんどの場所に花が手向けられているので、おそらく近所の人がお祈りするために使っているのだろう。この後フィレンチェやローマでも度々見かけたけれど、ヴェネチアにいちばん多かったような気がする。ひとつひとつが個性的なこの祭壇は、私のイタリア街歩きの楽しみのひとつになった。







しばらく歩いて疲れたのでどこかカフェに入って休憩をとることにした。エスプレッソの国イタリアには本当にカフェが多い。カフェと言ってもチェーン店のカフェはほとんどなく、個人経営のカフェばかりだった。来年イタリアにスターバックス1号店が進出するというニュースは耳に新しいが、“ほんとうに”イタリアにはスターバックスはない。イタリアにあるカフェの数とイギリスにあるパブの数、どちらが多いのだろう。いい勝負に違いない。というのは冗談だけれど、街中でよく見かけるものはお国柄をよく表すので面白い。日本ならコンビニかな。

そして私たちは数多くのカフェからとあるカフェに入った。テラス席で煙草をくゆらせながらマダムが飲んでいたコーヒーが美味しそうだったからだ。それは透明のトールグラスに入っていて、二色の層に分かれておりとても美しかった。私が思わずマダムに「What are you drinking?」と聞くと、彼女は「Cafe latte」と気だるそうに、そしてとても強い巻き舌で言った。そのカフェラッテは、ミルクチョコレートのような淡い茶色のエスプレッソの上に滑らかなスチームミルクがかかっていて、上にちょこんとエスプレッソのしみがついていた。イタリアンコーヒー特有のしっかりとした苦味が一緒に頼んだティラミスにとても良く合った。




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