Wednesday 16 November 2016

幸福のため息橋(イタリア旅行記4:ヴェネチア編)




水の都と呼ばれているだけあり、街中のいたるところに運河が流れているヴェネチア。そのため目的の場所に行くには、いくつもの橋を渡らなければならない。小さな橋から大きな橋までさまざまあり、一体いくつの橋を渡ったのか覚えていないほど。しかし、その橋の可愛らしいこと!どの橋もそばにある建物に合わせてデザインされているので、そこに橋がない光景が思いつかないほどとてもよく馴染んでいる。





そんな数ある橋の中でも有名なのが「ため息橋」と「リアルト橋」のふたつ。私たちもせっかくなので行ってみることにした。ため息ばしに向かう途中で渡ったリアルト橋は残念ながら修復中で、リアルト橋の写真と共に大きなDIESELの広告がかかっていた。

修復中のリアルト橋

リアルト橋近くからの眺め


橋のたもとにはお土産屋さんやブティックが立ち並び、とても賑わっていた。そこから、南へ10分ほど歩くとサン・マルコ広場にたどりつく。細い路地をくぐり抜け、いきなり視界がひらけた向こうにそびえ立つサン・マルコ寺院は圧巻のひとこと。淡い色の大理石で建てられた寺院はなんとも美しく、私はしばらく見とれてしまった。




サン・マルコ広場を超えた先に広がる運河は今までのヴェネチアとは全く違う趣をしていた。ゴンドラが優雅に波にゆられている様子はまるで絵画の中のようで、ずっと眺めていたくなった。


波止場から程ないところに、「ため息橋」がある。この橋は残念ながら渡ることができない。残念ながら、というのは皮肉な言い回しかもしれない。というのも、この橋は独房へ入れられる囚人の通り道であり、彼らにとってここが美しいヴェネチアを見る最後の機会であったから。そのため彼らがそこを通る時にため息をつくことから、19世紀にイギリスの詩人ジョージ・バイロンが「Bridge of sight」と名付けたのだそうだ。

ため息橋

さらにこのため息ばしには他の伝説がある。それは「日没時に恋人たちがゴンドラに乗り、この橋の下でキスをすると永遠に結ばれる」というもの。かつて囚人が通った橋の下でのキスなんてなんだか複雑だけれど、永遠の愛を誓う恋人たちには関係ないのかも。

ため息橋とその向こうに広がる美しいヴェネチアの街を眺めながら、ここで幸福のため息をつけて良かったと思った。

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