Monday 12 December 2016

世界いち美しい図書館(チェコ旅行記2)

カレル橋の上ではストリートパフォーマーや絵を売る人たちがいて、とても賑やかだった。目の前に広がる城下町はだいだい色の屋根が美しく、橋はまるで違う世界へと人々を運んでいるよう。橋の上には30体の彫刻が並んでおり、その中に幸運を招く彫刻というのがあって、その部分は色が変わり金色になっている。その日はとても寒かったので彫刻はきーんと手に冷たかったけれど、私たちは目一杯の念を込めてその彫刻をなでた。





ちょうど木々が色づいており、街全体が暖かいだいだい色や黄色に染まっていた。日本の紅葉とはまた趣の違う、絵本の中のような美しさだった。


11月に入ったばかりだったのに風はとても冷たく、プラハ城へ向かう途中でのんだプラハホットチョコレートが体を芯から温めた。エスプレッソカップくらいの小さな容器に入っていたのだけれど、ホットチョコレートといってもほとんど湯煎したチョコレートのような濃厚さで全部は飲みきれなかった。きっとホットミルクで割ったらちょうどいいぐらいの濃さなんだろうね、と話したのだけれど、ミルクで割らないのがプラハ流なのかもしれない。ちょうど友人が隣のお店で買っていた揚げパンを浸して食べたらとっても美味しかった。この揚げパンは中にアイスクリームなどのトッピングを入れることもできるようで、プラハで度々見かけた。


坂道をひたすら登ってプラハ城を目指す。観光は主にカレル橋の反対側をしたけれど、このプラハ城側もお土産やさんやレストランがたくさんあって楽しそう。


くじけそうになったところでようやくプラハ城へ辿り着いた。その途中で見下ろしたプラハの街並みは言葉にならない美しさだった。どこまでも続くだいだい色の屋根、ところどころにそびえ立つ緑色の塔。ずっと思い描いていたヨーロッパの街並みそのもので、自分が遠くまで来たのだということに気づかされる。


私たちは特に計画を立てずに、行きの飛行機でどこに行きたいかみんなで出し合って、その周りを適当に周ろうということにしていた。プラハではカレル橋・旧市街・ミュシャ美術館・ストラホフ修道院の4つ。



プラハ城から15分ほど歩いたところにあるストラホフ修道院の目当ては世界一美しい図書館の一つと称される図書館。ここは写真撮影には入館料の100コルナと別に50コルナの支払いが必要で、いま思えば払えばよかったのだけれど、なぜだかけちってしまったので写真はありません。なのでgoogle先生の検索画面から。



図書館には2つ部屋があって、入り口の近くにあるのは天井まで届く2階建ての書庫が美しい「哲学の間」、廊下を進んだ奥にあるのは白い装飾の中に描かれた天井画が美しい「神学の間」。それぞれの名前は蔵書の種類から名付けられているそう。とても静かで神聖な雰囲気の図書館。椅子に腰掛けた監視員のおじいさんがぐーぐーと寝息を立てていた-図書館が閉まる5時ぴったりに私たちと一緒に図書館から出たのもまた、おじいさんだった-。

中まで入ることはできないので、入り口から首を最大限に伸ばして中を覗く。書庫に並ぶ、偽物のように美しい本たち。廊下にあった本棚の本が、背表紙の絵だけの偽物だったのでもしかしたら書庫の中の本も偽物かも、と思って監視員のマダムに聞いてみた。すると、「(哲学の間の)本棚の四隅は2階へ上がる階段への隠し扉になっているの。だからその部分は絵よ」と。「え?どの部分?」としつこく聞いていると、3歩だけよ、と特別に中に入れてくれた。ここは日本人観光客も多いのか、珍しく日本語のパンフレットもあった。この図書館でいったいどんな議論が交わされたのだろうと中世の時代に思いを馳せながらとてもロマンチックな気持ちになった。




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