Sunday 12 February 2017

温泉でチェスを/スリから財布を取り戻すの巻(ブダペスト旅行記2)


旅の楽しみのひとつはマーケットに行くこと。2日目は早起きをして中央市場(Great Market Hall)で朝ごはんを食べた。ここは地下1階、1階、2階からなる屋内マーケットで、生鮮食品からハンガリー土産までなんでも揃う。最初は野外マーケットだと思い込んでいたので、なかなか見つからず迷ってしまった。緑・オレンジ・黄色のタイル装飾が施された建物は、中がマーケットだとは思えないほど美しい。

泊まったホテル

17時には空港に向かわないと行けなかったので早足でマーケット内を回る。この時はマーケット内のメイン通りで日本のカルチャーを紹介するイベントが開催されていた。折り紙、刀、扇子といったものが5、60メートルに渡って展示されており、将棋に興じている人たちもいた。ハンガリー人の日本文化に詳しい人がお客さんに説明をしていて、日本人の姿は見当たらなかった。何のグループが主催していたんだろう?


量り売りの小さなパンと、中に2種類のチーズがたっぷり入ったデニッシュ生地の惣菜パンを買った。量り売りは日本のように重さではなく個数で注文するのが一般的なようで、グラムで頼むと店員さんは困惑していた。


ハンガリーの雑貨はカラフルな花模様が華やか。ブラウスや小物に施されたハンドメイドの刺繍もとっても可愛い。


1時間ほどで中央市場を後にし、ブダペスト東駅から地下鉄を2本乗り継いでこの旅のメインであるセーチェニ温泉へと向かう。乗り換えの時に、長いエスカレーターに乗った。私と友人が縦に並んでいると、彼女の隣にピンクのキャップを目深に被った10代くらいの女(ここではどうしても女の子とは言いたくない)が止まった。銀色の中をひたすら上へと進むエスカレーターでは、なんの標識もないのに大きな地図を広げてキョロキョロしているピンクキャップ。なんか気持ち悪いなあと思っていると、友人の後ろにもう一人ピンクキャップと同い年くらいの女が。もしかして、スられてる?と思いエスカレーターを降りて友人の斜めがけ鞄を見るとチャックは全開。「何か盗まれてない?」と聞き、彼女が鞄の中を確認すると財布が無くなっていた。


「どいつ?」と聞かれ、“あそこのピンクの2人”と出口の方を指差した。そこからの彼女は強かった。2人のところへ走って向かい「Where is my purse?」と聞く彼女としらばっくれる2人。「男が逃げていったの見た」と辻褄の合わないことを言って、私たちを騙そうとしたりと本当にタチが悪かった。彼女と私で2人の鞄の中やポケットを探し、ようやう財布を取り戻した。相手がナイフとか持っていなくてよかったね、と今思えば本当に危なかった。その後は2人ともしばらく心臓がばくばくしていて落ち着かなかった。
※危ないので決して真似しないでください


やっとの思いでセーチェニ温泉へ着いた。ヨーロッパの温泉は水着の着用が義務。雰囲気は日本の健康ランドといった感じ?この温泉では必要なものがレンタルできるので荷物を増やしたくない旅行中にもぴったり。私は水着とタオルを借りた。ビーチサンダルもあったほうが便利。これもレンタルできる。料金+デポジットを払って更衣室へ向かう。更衣室は2種類あって、私たちは個室の「キャビン」を使った。料金は少し高づくけれど、鍵もついていて安心だし、1人には十分な広さ。スクール水着のような黒い水着に着替え、シャワーを浴びて温泉へ向かう。


この温泉の名物はチェスをするおじさんたち。地元のおじさんたちが、絶えず入れ替わりチェスに興じていた。ブダペストの温泉は日本の温泉と比べると温度の低いところが多い。セーチェニ温泉は35〜42度くらいまで、色んな温度の温泉があるところも魅力。流れるプールのような温泉もあり、小学生に戻った気分ではしゃいで何周も回った。露天だけでなく室内にもいくつか温泉がある。ミストやサウナなどもあり、気づいたら4時間ほどのんびりしていた。



シャワーで髪や体を洗い、レンタルしていたものを受付に返す。この時にデポジットのお金をもらうのを忘れずに。お風呂上がりに飲んだしぼりたてオレンジジュースの美味しかったこと!自動販売機のような見た目だけれど、コインを入れるとその場でオレンジを絞って出てくるのでとってもフレッシュ。果汁が体のすみずみまで染みていくのを感じた。

地下鉄で東駅へと戻り、バスで空港へ向かった。プラハ・ブラチスラバ・ブダペストと続いた東欧旅行もこれで終わり。ここまで付き合ってくださった皆さん、ありがとうございました!

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